COLUMN住まいのコラム

あなたにピッタリな 住宅はどれ? 家を建てる 成功の鍵 Vol.8

イエタッタ編集部
2024.05.01

一級建築士が解説! 

住宅の種別に向き不向きがある

家づくりを考える際、注文住宅にしようか建売住宅にしようか迷う方

が多い。実はそれ以外にも規格住宅というものや、モデルハウスと

して使った後に販売されるモデル分譲住宅がある。コスト以外にも

様々な違いがあるため、自分たちの価値観にあう選択ができるよう

に学んでみましょう。

 

選択の自由度で選ぶ家づくり

住宅は選択の自由度によって種類が異なる。自由度が高い順から注文住宅、規格住宅、建売住宅、モデル分譲住宅がある。同条件で比較した際、基本的には選択の自由度が高くなればなるほど、打合せや確認の数が増え、コストが高くなる。なぜなら人が動く工数が増えるので人件費がかかり、まとめて材料を仕入れるのが難しくなるので材料費も上がる。このような理屈から自由度の高い注文住宅が高く、自由度の低い建売住宅が安い。 従来からあったが、物価上昇に伴って注目度が増しているのが規格住宅。注文住宅ほど自由ではないが、コスト重視で選択肢が少ない建売住宅よりは自分たちの要望を取り込める中間的なポジションのため、ここ数年様々な会社が商品開発に力を入れている。 また、注文住宅同等に凝ったつくりで価格を抑えた住宅としてモデル分譲住宅がある。建築済みのものを買うという点では建売住宅と同じだが、一定期間の見学用につくられているため会社のコンセプトを明確に表した凝ったつくりが多い。タイミング次第ではあるが、共感できるモデル分譲住宅があればコスパの良い家づくりになるだろう。 これらの特徴を踏まえた上で、自分たちにぴったりの住宅を選んでみてください

1.

注文住宅:

間取り、デザインともに選択の自由度が最も高く、土地の形状にあわせてつくる独自性が高い住宅。性能は選べるが、各会社で得意不得意
があるので、高性能にしたい場合は実績が多い会社を選ぶのがポイント。自由度が高い反面、完成のイメージがしにくく、打合せ回数が多くなるので時間がかかってしまう。コストについても要望やこだわり次第で高くも安くもなり、その都度見積を作成するため金額がはっきりするのに時間がかかる。

2.

規格住宅:

間取り、仕様、設計ルール等、何らかの制限を設けることで、同等規模、品質の注文住宅よりもコストを抑えた家づくりになるのが規格住宅。セミオーダーと呼ばれることもある。制限の度合いは各社の考え方によるが、打合せの回数の減少による人件費削減、仕様限定による仕入れの工夫、工程短縮によってコストを抑えられている。注文住宅よりも自由度が低いため、対応できない土地、仕様、性能等がある点に注意が必要。

3

建売住宅:

土地に住宅が建った状態で販売されているのが建売住宅。実物を見学してから購入できるため、暮らしのイメージはかなりしやすい。コストを抑えて作られていることが多く、打合せもほぼ無いので、コスト&タイムパフォーマンスが良い。ただし、建売の大半は徹底してコストを抑えて作られているため、敷地によって若干の違いがある程度で、間取りやデザインはどれも似たようなものが多く、性能に関しても法的な最低基準を満たした程度のものが多い。

4.

モデルハウス分譲住宅:

住宅会社がしばらくモデルハウスとして使用し、その後に販売することをモデル分譲と呼ぶ。建売同様、見学してから購入できるため、暮らしのイメージはかなりしやすい。販売を意識した計画なので、間取りは一般的なものが多い。住宅会社のコンセプトが明確に反映されているため、仕様や性能、価格面は住宅会社の方針によってピンキリ。その会社の注文住宅よりはコストを抑えて購入できるため、人によってはコスパの良い家づくりになる。

 

 

 

解説:一級建築士 鶴見哲也

1986年石川県かほく市出身。新潟大学大学院修了後、金沢市の設計事務所や住宅会社で8年半建築設計業務に従事。2019年(株)ミライエ・カンパニーに転職し、メディアの立場から家づくりをわかりやすく、失敗しないようサポート。イエタッタカウンターでは勉強会や個別予約で直接相談可能

 

 

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